この想いを君に…
「思ったより早く退院出来てホッとしたよ」

パパが真っ先に光さんを出迎えると光さんもホッとしたように笑った。

「今月末に抜糸して来月上旬にはギブスを取るって」

「そっか。しばらくリハビリに専念しないとな」

そんな会話をしながら二人はリビングにやって来た。

光さんは座るなり

「…盆休みが終わったらお店に行っていいですか？」

話を切り出した光さんの希望にパパは首を傾げると

「電話取ったり事務は出来るんで…」

パパも手を叩いて

「そうだね！俺がピットに回る事が出来るしね」

光さんがいる時はいつもパパはバイクには触らず電話を取ったり色々な雑用に追われている。

「助かるよ、光」

パパは光さんの肩を叩いた。



こういうのを見ていると、お店やチーム内の雰囲気がいかにいいか、よくわかる。

こんな光景を見ると落ち着く。

苛立っていても心が癒されるんだ。
< 308 / 503 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop