この想いを君に…
「むっちゃん、どうしたの?」

ママがあたしの顔を覗き込む。

「ううん、何でもない…」

そう言うけれど、あたしは箸を置いた。



この日の夕飯はあまり食べられなかった。



悠斗、なんで香奈を誘うのよ…



「むっちゃん、顔色悪いけど大丈夫?」

隣の泰樹が細くて綺麗な手であたしの額を触った。

「…熱はないみたいだけど」

「大丈夫」

あたしはそう言って立ち上がった。
< 32 / 503 >

この作品をシェア

pagetop