この想いを君に…
奏がそんな事を言うなんて珍しい。



まあ、今まで顔を合わせるのが年数回程度だったし、兄妹とはいえ、15歳も離れていたら疎遠になってしまう。

それに俺は高校卒業してすぐに海外に行ったし、帰ってきてもずっと門真さんの所で世話になってたから。

どちらかというとむっちゃんの方が妹みたいなもんやな。

「よく、寝てるなあ」

むっちゃんの寝顔を見て奏は微笑む。

「昨日、夜中まで俺の退院祝で騒いでたから。
疲れてると思うで」

「いいなあ…
私もそんなん、やってみたい…」

そう言われて我に返った。



そうや、奏は。

この家に両親と3人。

門真家みたいに騒ぐ事なく、また親戚の目も気にして生きてきたと思う。



「ゴメンな、あんまり家に帰って来れんで」

むっちゃんの頭を撫でながら奏は驚いた様子で顔を上げた。

「いきなり、何言うん?
気持ち悪いで」

そう言って苦笑いする奏。

…気持ち悪いとか言うなー!!
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