この想いを君に…
「むっちゃん!走りに行くよ!!」

部屋のドアをドンドンと叩いて入って来た知樹。

「…行かない」

あたしはベッドでふて寝。

「一日サボったら大変な事になるんだぞ!
起きろって!!」

無理矢理起こそうとする知樹の手を振り払う。

「もう、うるさいっ!!」

目の前にあった枕を投げる。



「…げっ」

知樹は上手く避けていたみたいで痛い、とは言わなかった。

「…俺、一人で行ってくる」

そう言い残して知樹が立ち去る。

あたしは顔を上げてドアの方を見ると…

パパが不機嫌そうに枕を片手に持ってもう一方の手で乱れた髪の毛を直していた。
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