この想いを君に…
「お兄ちゃん、観覧車に行こう!」

一通り回ってから奏さんは光さんの袖を引っ張った。

「え〜、俺、嫌や」

光さんは首を横に振る。

「なんで?ウチと乗るの、嫌なん?」

奏さんはあたしをチラッ、と見ると

「ははーん!お兄ちゃん、むっちゃんと二人で乗りたいのん?」

「アホかー!!」

奏さんの挑発的発言にすぐさま反応した光さん。

「俺は高い所が嫌なん」

へぇ〜、意外。

あたしは内心、驚いていると

「じゃあ、3人で乗ろう!
3人やったら怖くないから」

大丈夫、と言って光さんの肩を叩く奏さん。

「…はいはい」

光さんは降参!と言わんばかりに力のない返事をした。
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