この想いを君に…
「…むっちゃん一人では来させへんから」

光さんは段々下る観覧車から見える風景を名残惜しそうに見つめ、

「お前が望むなら。
むっちゃんにお願いして一緒に来るから」

そう言った光さんは奏さんを真っすぐに見つめた。

「…まあ、盆と正月くらいは一人でも帰ってくるから。
安心して」

観覧車から降り際に光さんは奏さんの肩を軽く叩いた。
< 337 / 503 >

この作品をシェア

pagetop