この想いを君に…

光 side

「お兄ちゃん、私とむっちゃんにあれ、買って」

お昼ご飯をATCで食べて海を見てから。

難波でお茶しようという話になって…

奏のペースに巻き込まれてしまった。

ああ、恐ろしい、女の子のお買い物。

「…何が欲しいん?」

「鞄、お揃いがいいねん」

差し出された鞄は。

奏の好きなブランドのものだった。

値札を見ると…

2万…

2つで…4万。

破産するで、俺。



「光さん、あたしはいい!」

むっちゃんは首をガクガク横に振っている。

「お兄ちゃん〜、私のも買ったらむっちゃんのも!」



…もう、ええわ。

帰ったら…仕事、頑張ろう。

レースも…怪我が治ったら…頑張ろう。
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