この想いを君に…
「…おかえり、いつ帰って来たの?」

枕はパパの顔面に当たっていた。

でも、何となく、謝りたくない。

パパがいつの間にか部屋に来ていたから悪い!

…っていう事にしたい。

「さっき帰ってきたよ。
…知樹の声がうるさかったから、2階に来たんだ」

パパはため息をつく。

あたしは再びベッドに倒れ込むように寝転がる。

「…体調悪い?」

パパがベッドの端に腰をかけた。

「…悪くない」

「ママがほとんど夕飯を食べなかった、って心配してたよ」

「…食べたくない」

「そう…」

あたしに何か問題がある時。

こうやってパパが話を聞きに来る。

何故か昔から。

ママじゃなくてパパだった。

もちろん、ママと仲が悪い訳じゃないけど。

あたしもパパの方がどんな事でも話がしやすかった。
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