この想いを君に…
「なあ」

お兄ちゃんが私を睨む。

「これって並んでまで上に行く価値があるん?」

階段には数カップルが待っていた。

「あるな、少なくともウチにとっては」

「…なんか、並んでるん、カップルばっかりやん」

疑惑の目を向けるな、兄よ!

「夜景見るんやったらそこからでも見えるやんけ!」

鋭いツッコミをありがとう…

確かに!

この階段の隣にある建物が昔は展望台のメインで。

今でも、そこからでも十分に見れるけど。

それではここに来た意味がない。

メインは。

この新しく出来た階段の上にある、鐘!

これを鳴らすねん。



…願い事は。

私が二人に掛けるから!!
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