この想いを君に…
でも。

悠斗との一件で。

人を好きになるのが怖くなっていた。

心が通いかけた瞬間に現実の波がそれを押し流して。

そして、別の女の子が簡単に悠斗を掻っ攫っていった。



今、考えても。

泣きそうなくらい、ショックだから。



だから、人を好きになるのは。

本当に怖い。

またいつか、その人を奪っていかれそうで。



光さんなんて、特にそう思う。

20歳も歳が離れていて。

親子と言ってもおかしくない。

今だに結婚していないのが不思議なくらい、容姿も悪くない。

性格にも問題がある訳じゃない。



あたしが本気になっても。

その瞬間に。

光さんが遠く離れた存在になれば。

もう、あたしは立ち直れないから。
< 348 / 503 >

この作品をシェア

pagetop