この想いを君に…
「だから、むっちゃんが一緒に来た時、お兄ちゃん、ちゃんと相手がいたんだって思った。
…むっちゃんはお兄ちゃんの事、嫌いじゃないやろ?」

奏さんはベッドで寝ているあたしの顔を覗き込む。

「…うん」

あたしは頷いた。

「多分、好きと思う」

あたしの言葉に奏さんは笑って頷いて

「じゃないと、一緒に大阪へ来れんよな」

声を立てて笑っていた。

「ただ、お兄ちゃんは天然な所があるから…
なかなか気付かんかもしれんけど、彼女がいてるとか女の影はないから、安心して」

奏さんはあたしの頬を撫でると

「明日、帰ってしまうのが寂しいな」

一瞬、悲しそうな顔をしておやすみ、と言った。
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