この想いを君に…
そういう事で。

今日もまた、学校が終わってすぐに光さんの家に行った。

抜糸してギブスが取れたとはいえ、まだまだ本来の動きには程遠い。

なのでお米を洗って夕飯の準備をする。

「むっちゃん、調整は上手く出来てる?」

9月末にあたしは全日本ロードレースに出る。

家に帰ってきた光さんは学校やバイト、教習所で忙しくしているあたしを心配していた。

「うん、何とかやってるから」

「それならいいけど…」

光さんはそう言ってあたしの頭を撫でた。

そして時計を見て

「10時前やで、そろそろ帰らんと…」

「うん、じゃあ、帰るね」

あたしが部屋を出ようとしたら。

チャイムの音がして。

光さんがインターフォンで対応してから

「むっちゃん、どこかに隠れる?」

と真剣な顔をして言われた。

訳がわからず玄関で立っていると

「ま、いつかはわかるか…」

光さんがそう言ってドアに手をかけた。



…!!!



まさか!!!!!
< 369 / 503 >

この作品をシェア

pagetop