この想いを君に…
「今日、夕方から出掛けない?」

祥太郎は自分が買ってきた食料をテーブルの上に並べる。

「はあ?どこに行くん?」

俺は疑いの眼差しで祥太郎を見つめる。

コイツが俺を誘う時はロクな事がない。

「喫茶店」

「…勝手に行けよ」

俺は呆れて天井を見上げた。

「面白いもんが見れるで」

「…それは俺が見て、損せえへん?」

気が進まない時はいつもこう言う。

祥太郎はニヤリ、と笑って

「せえへんよ!」

慣れない関西弁で言った。
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