この想いを君に…
「国分くん!」

たまたま日曜日の朝一番に学科を受けて。

見かけたのはリコの彼氏、国分くん。

「あれ!門真さん?」

目を丸くして国分くんは言う。

「門真さんも来てたんだー!!」

嬉しそうに笑う。

そして隣の席に座ってきた。

…リコが見たら、怒るだろうな。

あたしは更々そんな気もなにもないけど、少し気が重くなる。

「門真さんも受けてるんだ〜」

ホッとした様子で国分くんは言う。

「門真さんはどんな感じ?」

と言うのでハンコを附かれた用紙を見せると

「へえ!やっぱり凄いね!」

当然の事ながら、1回も落としていない。

…っていうか。

落としたら、パパに何と言われるか。

「俺なんか、なかなか感覚がわからなくて…」

クラッチ操作が上手く出来ていなくて、一段階で何度か落ちていた。

「そっかぁ…」

小さい時からバイクの操作を知っているから、どうアドバイスしていいのかわからない。

「次、実車なんだ!」

偶然!

「あたしも!」

じゃあ、一緒に走れるね、とお互いに笑った。
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