この想いを君に…
「へえ…ヤキモチかあ」

電話を切ってからふふっと光さんは笑った。

「確かにカッコイイ男の子やったなあ」

あたしの顔を見て、ニヤリ、と笑う。

「たまたま教習所で会ったの。
技能見てたらどうも感覚が掴めてないからそれで少しでもって思って」

光さんはクスッ、と笑うと

「むっちゃん」

光さんはあたしの体を引き寄せた。

いきなりの事でドキドキする。

「俺はそういうむっちゃんのお節介なところ、好きやで」

面と向かって…

好きって言われた!!

胸が激しく脈打つのがわかる。



…でも。



光さんは伏せ目がちにあたしを見つめて

「彼を連れてきたのを見た時。
ちょっと嫌やったで」

…だから。

電話をかけてきた彼女の気持ちがわかる…

光さんは囁くように私に言って。



あたしの唇にキスをした。
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