この想いを君に…
「むっちゃん、走りに行くよ」

知樹が部屋にやって来たけど。

薄暗い部屋の中であたしは制服のまま、部屋で寝ていた。

「むっちゃん、大丈夫?」

知樹はあたしの顔を覗き込んだ。

「…」

あたしは枕に顔を埋めたまま、動かない。

「むっちゃん、何かあったの?」

最近、力強くなった知樹は簡単に枕を取り上げた。

「…何かあったの?」

泣いているあたしを見て、知樹の顔色が変わった。
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