この想いを君に…
「一つ質問!」
桜が細い腕を上げた。
この腕は睦海の半分くらいの太さしかない。
「むっちゃんの本当のパパって、結局誰なの?
名前…さっきからパパもママも言ってたけど、その人?」
総一は頷いて答えようとしたが別の声の主に阻まれた。
「睦海の本当のお父さんは『柏原 拓海』
…私の産んだ子よ」
今まで黙っていた彩子が口を開いた。
「拓海は生きていれば今年35歳になってた。
真由ちゃんと同級生で、拓海の初恋が真由ちゃんだったの」
そう言って家から持って来た写真を差し出す。
「…むっちゃん、そっくりでしょ?」
差し出されたその写真は。
拓海が高校1年、入学した日の写真。
その笑顔はまるで今の睦海で。
思わず知樹と泰樹は顔を見合わせ、桜は驚きすぎて目を丸くしたまま動かなかった。
桜が細い腕を上げた。
この腕は睦海の半分くらいの太さしかない。
「むっちゃんの本当のパパって、結局誰なの?
名前…さっきからパパもママも言ってたけど、その人?」
総一は頷いて答えようとしたが別の声の主に阻まれた。
「睦海の本当のお父さんは『柏原 拓海』
…私の産んだ子よ」
今まで黙っていた彩子が口を開いた。
「拓海は生きていれば今年35歳になってた。
真由ちゃんと同級生で、拓海の初恋が真由ちゃんだったの」
そう言って家から持って来た写真を差し出す。
「…むっちゃん、そっくりでしょ?」
差し出されたその写真は。
拓海が高校1年、入学した日の写真。
その笑顔はまるで今の睦海で。
思わず知樹と泰樹は顔を見合わせ、桜は驚きすぎて目を丸くしたまま動かなかった。