この想いを君に…
「それにそーちゃんも産んだお母さんに捨てられて血の繋がっていないお父さんに育てられたし、お父さんが再婚してからは継母にイジメられるし…
多分、一番苦しい思いをしてきたのはそーちゃんよ。
私はそれを見てきているから…
むっちゃんがこんな騒ぎを起こしてそーちゃんが気の毒で仕方ないわ」

彩子はため息をついた。

「むっちゃんにとっては大好きなパパやからね。
今までそんな疑問なんて全く抱かせへんくらい、門真さんもむっちゃんを愛してるから」

光はクスッと笑って

「まさか生物の授業でこんな事が発覚するとは。
むっちゃんにとっては今まで生きてきた中であってはならない真実やったんやろね。
ま…でも、これで門真さんや真由ちゃんが死ぬまで隠し事をせんで良くなったから、良かったと思うよ」

光は総一と真由を慰めるように優しく笑った。
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