この想いを君に…
「じゃあ、私も戻るね。
むっちゃんが帰ってきたらまた知らせて」

彩子がそう言って立ち上がった。

「本当にすみません」

総一が頭を下げると

「そーちゃんが謝る事、ないわよ。
むっちゃんは私の本当の孫なんだし、しかも初孫だから心配して当たり前だもの」

彩子はチラッ、と祥太郎を見つめた。

祥太郎は敢えてその視線を無視する。

「もう一人の息子は生きていても結婚しないし〜。
聞くのは女遊びの悪い噂ばかりだし」

彩子はケタケタ笑うと祥太郎を再び見た。

祥太郎は全く違う方向を見ている。

「早くたくさんの孫を見たいなあ…じゃあ!」

悪戯な笑みを浮かべて彩子さんは隣の家に帰っていった。
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