この想いを君に…
8.夜明け前
悠斗の静かな寝息で目が覚めた。

いつの間にか眠っていたあたしはゆっくりと体を動かす。

でも悠斗が。

しっかりと腕で抱きしめているのであまり動けない。

諦めてその腕の中にいる事にした。



今、何時だろう…



そう思った時、悠斗の安らかな寝息が止まった。

「んー?」

伸びをしてゆっくりと目を開けた悠斗。

「あ、起きてた?」

あたしは頷く。

「今、何時かな?」

そう言って体を起こして悠斗はテーブルに置いてあるケータイを手に取った。

「3時、かあ」

まだ、ここを出る時間にしては早い。

悠斗はケータイを再びテーブルに置くと元の位置に寝直した。
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