この想いを君に…
あたしもベッドから降りて窓際に行く。

「綺麗だねえ」

黄金のように輝く月は、まるであたしの心の闇を照らすような。

その控えめな光があたしを慰めてくれる、そんな感じだった。



月、特に満月や満月に近い月を見ると昔から落ち着く。

確か。

あたしの生まれた日も満月だったと、パパとママから聞いた事がある。

…という事は。

パパは本当のパパでなくても、あたしの生まれた日の事をしっかり覚えてくれている。

どうでも良ければ。

そんな些細な事なんて、覚えていないよね、普通。



…血は繋がっていなくても。

それをあたしが知った所で。

パパは何も変わらない。

愛してくれるのも。
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