フラッシュバック

・フラッシュバック あらすじ紹介

『フラッシュバック』あらすじ
(2ページ、2000文字です)

 物理学者の雲井達八は、研究が学会からオカルト扱いされており、しかも死期が迫っていて、世間全体に対して憎悪をかきたてていた。彼の妹の友香も、芸能プロダクションで人生をもてあそばれ、あげくに友香はビルから飛び降り、全身打撲で植物人間となってしまっていた。雲井逹八は、自分たち兄妹の不遇と不運を恨み、恐るべきサイト、『フラッシュバック』を立ち上げた。『フラッシュバック』は、画面のちらつきや効果音を駆使して、見ている者に対して強力なサブリミナル効果を送り込む。一度でも見た人間は、夢の中で、自己の一番悲惨な体験を再体験する。記憶が蒸し返されるだけでなく、肉体的にも再体験する。たとえば、過去に交通事故にあっていると、そのケガまで再現し、それが毎晩繰り返される。
 『フラッシュバック』は勝手にリンク登録を繰り返し、さまざまな人間がこのサイトを見てしまう。
 雲井逹八の知人で同じ物理学者の大神や、大神が顧問の、高校の科学クラブのめぐみ、朝子、真理も『フラッシュバック』を見てしまい、めいめいの一番悲惨な過去を再体験する。朝子と真理は、大神の所へ相談に訪れた。
 朝子と共に『フラッシュバック』を見ためぐみが心配になり、3人は学校を休んでいためぐみの自宅に行く。めぐみは大変な事態にみまわれていた。めぐみは、過去の妊娠を再体験させられ、実際に妊娠してしまった。朝子たちが見ている前でめぐみは臨月になり、出産する。新生児は、子宮から腹の外へ壁抜けの感じで直接出てきた。そして、どんどん成長し、成人の女に育つ。女は、雲井逹八の妹の友香だった。逆にめぐみは、一気に加齢しやがて粉々になって、消滅してしまう。

 同時刻。オリジナルの雲井友香は一気に加齢し死ぬ。雲井逹八は、それを見て、友香が復活したと知る。逹八は、パソコンを立ち上げ、プログラムを実行する。逹八の体は分裂し、片方がテレビカメラに吸い込まれ、元の肉体は加齢して死んでしまった。

 一方、健康体にうまれかわった友香は、自分の人生をめちゃくちゃにした、芸能プロダクションに出現し、社員や社長全員に『フラッシュバック』を見せる。その後、彼ら同士で内紛が始まり、全員が死ぬ。これで友香はかたきをうった。
< 214 / 215 >

この作品をシェア

pagetop