時の間
『第一章』   帰省・・・そして出会い

久々の帰省

ガタン・・・ガタン・・・



『切符を、拝見させていただけますか??』


熟睡していた僕を起こす静かな声・・・


・・・車掌だ。



『ん??あ~~ はぃ。これでいいですか??』



少しだけイライラしながら言う僕。



『ありがとうございました。
失礼します。』



よくありきたりな言葉を交わしながら、車掌は運転室の方へ入って行く。



なにやら運転士と話しているようだった。



僕の名は、涼(りょう)
22歳
高校を卒業し、地元の長野を離れ
ここ名古屋に就職し一人暮らしをしている。


そして今日、地元で同窓会がある為連休をとり、数年ぶりに帰るためこの電車に乗っているところだ。



夏も終わり・・・だんだん涼しくなってきた9月の中旬。



紅葉(こうよう)にはまだ程遠い山々の景色。

3両編成のやや古びた電車の窓。
そこから眺めながら眠りこけているところを起こされ、若干ストレスを感じているところだったりする。



『さぁ~どうしてくれようかっ!駅までまだ遠いし、かといって今更また・・・ 』



などと、ぶつぶつ独り言を言っていると
不意に視界が暗くなった。



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