時の間
よくよく見てみると、
押され倒れこんでいる人もいる。
その上をドカドカお構いなしに
乗客は押し寄せる。




『怜香ちゃん。
今、行っちゃだめだ!!
わざわざあんなのに
巻き込まれることないよ。
少し、様子見よ!』



『でも・・・。
でも、こんなとこ居たくない!!』



『落ち着きなって!!
まず、冷静にならなきゃ!!
いいかい。
そもそも、
あっち(隣)に行ったからって
安全な保障はないんだよ!! 
それに、見てみなよっ!! 
今、行ったら
かえって危ないよっ!!』



『ぁ・・・。
そっ・・・それは・・・。』

        ・
        ・
        ・

なんとか、
怜香を留まらせる事は出来たが
不安でいっぱいの表情だ。





当然だ。





偉そうな事言いながらも、
僕も手が震えていたりする。




(落ち着け。 
・・・落ち着け。
パニックになったら駄目だ。 

駄目だ。

駄目だ・・・。)




「落ち着け。」
と、怜香に言いながら自分に
言い聞かせているような感じだった。




最初の異変からまだ10分も経ってはいない。





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