時の間
わずか10分足らずで
車内の空気は一変した。







少し前までは笑っていられたのに・・。








車内は、相変わらずやかましい。






とはいえ、
田舎の電車
そんなにたくさん
人が乗っているわけでもない。 



この両でも、
大人子供いれてせいぜい
20人ってところだろう。


この電車にしたって
そんなに長いわけではない。
たった3両だ。


(僕たちはその最後尾にいるわけだが・・・。)



そんな狭い中、どこへ逃げようとあまり変わらないのかもしれない。





『・・・ねぇ~涼くん。』




怜香だ。




『ん? なにっ??』




『これって、ほんとに起きてる事なのかなぁ??
夢とまでは言わないけど・・・
例えば 
「ドッキリッ!!」 とかさぁ!!』




声が、上擦っている。



本心ではないんだろう。



ただ、少しでも不安を押し殺したいのかも知れない。


ぼくも、不安が募りマイナス思考になりかけている。




『・・・「ドッキリッ!!」かぁ。
だとすると、相当大掛かりだよ。
余程の有名人が乗ってるとかっ!!』




口では言ってみたものの、
笑顔が作れない。
どうしても引きつってしまう。


そんな僕をよそに怜香は笑顔で続ける。




『だれかそんな人乗ってたかなぁ??』




僕たちは、同時に隣の車両の方を見た。





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