時の間
『怜香ちゃん・・・。
大丈夫??』



その場から、動かない怜香に声を掛ける。




『・・・えっ。   えっ、 あっ。
なっ、    な・・・。』





顎が痙攣していて、まともに話せない感じだ。





(・・・そう・・だ。 もう一度行かなきゃ。

電車を・・・。)




僕は、踏ん張りの利かなくなっている足になんとか力をいれ、運転席の方を見る。





そう。

電車を止めなければ元も子もない。



運転士に、もはや電車を止めることは期待できない今、僕たちで何とかしなければならないのだ。




しかし・・・



いったい何をどうすればあんな状態になるというのだ。


運転室には入っても大丈夫なのか??


同じ目に遭うのではないか??












『・・・涼くん。』












(僕がやらなきゃいけないのか??)


(一度引き返して、違う人に・・・。)


(僕は、あんな目に遭いたくない。)


(どうして、僕がそこまでしなきゃいけない。)














『・・・涼くん??』














(そうだよ。)






(そこまでする必要なんかないんだ。)


(逃げよう。)


(いったん、もど・・・・・)













『涼くんっ!!』





(ハッ!!)



『えっ!? あっ! に・・・西田さん??』




僕は、西田さんに両肩を掴まれながら揺さぶられ呼ばれていた。






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