時の間
困惑しているのだろう。



そのあとに僕が続く。


『えぇ。
これが壁なわけはないはずなんです。
僕は・・・
このドアが開いて車掌が運転室に入って行くのを見ています。』


『なんだってぇ??
それは、本当かねぇ??』




『えぇ。間違いないです。
まだ、この電車におかしな事が怒る前、車掌が切符を確認したあとそのドアを開
けて運転室に入って行ったのを僕は間違いなく見ています。

つまり、それまでこれはちゃんと動くドアだったんですっ!!。

それが・・・今はこんな・・・。


もう、なにがなんだか・・・。』


極度の緊張感と恐怖、そして焦りで冷静に状況を把握しきれない。


こうしている間にも、電車はどんどん進んでいるだろう。

早く止めなければ、待つのは大事故。
つまり、 ”死” である。




『・・・じゃ~~なにかね??
君の言っている事が正しいのならば、これ(ドア)はもともとちゃんとしたドアで、急にこんなことになったというのかねぇ??

私もなにがなんだかわからんよ。
いったいどうなっているんだ、これは??』




僕たち二人は、どこから沸いて来たのかすら解らない底知れぬ恐怖に腰の下から
徐々に首筋にかけて襲われ始めていた。




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