時の間

常識と現実

『もう・・・
そんなことしなくていいかも・・・』


突然後ろから声がする。



『?!』



僕は、へたりこんだまま
振り返ると・・・


怜香だった。


両手を口に当て、
目を丸くし
こちらを見ている。


しかし、目が合わない。



怜香の視線は
僕や西田さんの後ろ・・・
運転室より更に
奥にある感じだった。


僕は、座席に寄り掛かりながら
立ち上がると
怜香の視線の先へと向き直る。



(・・・??)



だが、先程となんら変わった様子は
見受けられなかった。



『怜香ちゃん、どうしたの??』



疑問と不安が交錯するなか
僕は聞いてみる。


すると、怜香は慌てながら
こちらに近づき
僕の目を見据えて





『外をよく見てっ!!


この電車・・・





・・・進んでないっ!!』





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