時の間
(!!
・・・ぅん??
な・・んだっ??)



思わずドアから数歩後ずさる。



その様子に不思議そうな顔をしながら
西田さんも覗きに来る。


僕は、だんだん頭の中が
気持ち悪くなってきた。



(何かわかんないけど、
この景色何か変だ。
なんだろ?この感覚・・・)



そして、怜香は僕の横に来て続ける。



『二人ともよく見て!!

さっきから目の前を
何回も一瞬で
通り過ぎていく電柱。

あれのすべてに、
蔦がぐるぐるに巻き付いてるのわかる??

あたし、普段帰り道暇だから
数えたことあるの。

蔦付きの電柱が何本あるのか。

結果、あたしが乗った駅から
降りる駅まで”一本”しかなかったのよ。

だから、印象によく残ってるの。

そしてね、その電柱を通り過ぎて
数秒もすると踏切がやってくるの。


・・・本来はね。


・・・言いたいこと・・・わかる??』


怜香は、僕たち二人の顔を
交互に見ながら返答を待っている。


あまりこの先は
口にしたくないのだろう。


怜香の言いたい事はだいたいわかった。


そして、僕がさっき感じた違和感もこれだったのだ。



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