時の間
見なければよかった・・・。







そこには・・・




・・・そこには、
立ったまま両腕を前に突き出し、
首を後ろに垂れ下げ
上を向いたまま叫び続ける女性!!





その姿は・・・
なんと言い表せばいいのか・・・





異形という言葉がしっくりくるだろうか・・・





その女性の両腕は
関節という概念を完璧に無視した曲がり方をし、
ぐにゃぐにゃうねっている。



タコやイカの足のように・・・



波に漂う海藻のようにゆらゆらと!!










これを見て回りが騒いでいたんだろう。




『・・・涼・・君。
・・・な・・・・に、あれっ??』



怜香が歯をガチガチ言わせながら聞いてくる。




『わ・・・解るわけねぇじゃん!!』




当然の答えを答える僕。







ズル・・ズル・・ズル・・ズル・・







みんな徐々に後ずさり、
もはや助けを求める女性の回りに人はいない。







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