見えない罪と、月
冗談とはいえ性質が悪いだろうと思っているセリル。

やけ食いだと言わんばかりにカレーのおかわりを大盛りによそう。

それを見たルシェもまだ食べたりなかったらしく、セリルと同じ量をよそってもらう。

やがて2人の所為で多めに作った筈のカレーは空になった。

2人の共通点をまた見つけたセイルはふっと微笑む。


「何がそんなにおかしいの?」


セリルが後片付けをし始めた頃、ルシェはセイルが笑った事に気付く。


「やっぱりセリルと貴女は似ているな……ってね」

「……何処が?」

「2人とも怪力で大食い。セリルは男だけど、綺麗な顔立ち」


ルシェは怪力と大食いと言う言葉に怒りを覚えたが、綺麗と言う言葉によってその感情は相殺される。
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