見えない罪と、月
「そっか。それもそうだね。でもとりあえず撒かないと。どうしようか?」


セイル同様に冷静に答えるセリル。セイルは走りながらその方法を考える。

そしてセイルはあまり使いたくはない方法しかないと悟る。

ほぼ確実に一時的であっても撒けるとは言え、実際には1度だけ逃げる時に使用しただけ。

今はうだうだと迷っている場合じゃない、

とセイルはセイルとルシェに目を閉じて貰うように告げた。


「やっぱりそれしかないんだね。兄さん使うの嫌がっていたから使わないと思っていたよ」

「本当に何だって言うのよぉーっ!?」

「良いから閉じて! ルシェさん」


目を閉じた2人を確認すると、セイルは大きく息を吸う。


そして…………
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