見えない罪と、月
セリルはすぐにでも探したい気持ちではあったが、

セイルはルシェを連れて必ず戻ると信じ待ち続けていた。

が、約束の1時間が経過しても戻ってくる気配は全くない。

1時間が経過し、更に15分待ってみたもののやはり来ない。

何かあったんだとそこでセリルは判断する。

セイルに言われたとおり屋敷からは飛びだしたものの、

逃げようとはせずに明かりを持って、森の方へと走って行った。

自分1人では逃げても後から後悔する、と。

程なくしてセリルは目の前に広がる光景に言葉を失った。

ルシェが落としただろう散乱したカゴ。そして…………血痕。

その血痕がどちらかの物である事は確かだが、どちらの物でもある可能性も。

血痕は点々と奥の方へと繋がっている事に気付いたセリル。

その血痕を恐る恐る辿って行く事にした。
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