そして海の思い出を胸に

「どうかしたか?」

足を止めずに涼が訊く。



「ううん……別に」

「分かった、見惚れてたんだろ?」



……えっ?



「俺って横顔もカッコイイから?」



さっきまで私の心の中は、重い鉛でも入れたかの様に沈んだ気持ちだった。

なのに……。

今の涼のセリフで、ちょっと気持ちが軽くなった気がした。



ったく、もう。

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