そして海の思い出を胸に
「希未!」

真実の助けを呼ぶ声で、私は我に返った。



そうよっ、私、人の事を気にしている余裕は無いんだからね。

海の水に長く浸かっていると、何故か足がつっちゃうんだから。



そう思って、少し離れた所に逆さになって浮かんでいるボートの方へ泳ぎ出した時には、もう遅かった。



「痛っ」

その言葉と同時に、体が沈んで行くような気がした。



うっ……息苦しい。



希未はちゃんと真実を助けてるかな?



私は足が痛かった筈なのに、息苦しさでそんな感覚も無くなってきた……。


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