そして海の思い出を胸に
「ところで、お兄ちゃん達は?」
「あー、真佐志達は予定通りの時間になるって。もしかしたら美雪が先に来てるかもしれないから、俺だけ早めに来たんだ」
「ふーん、そうだったんだ」
「どうする? あいつら来るまで、泳いでるか?」
「そうだね。せっかく僚二も早く来てくれたんだしね。泳ごうか♪」
私のセリフを聞くと、僚二は羽織っていた上着を脱いで私に投げてよこす。
「俺、先に泳いでるぞ」
そう一言残すと、1人で海に走って行く。