そして海の思い出を胸に

「少し、岸から離れ過ぎたかな……」

僚二がそう言った時。

足が急に痛くなった。



「痛いっ」

私はそう言うと、いつの間にか足を押さえて海に沈んでいた。

息苦しくなり、足の痛みが薄れ、意識が遠退き始めた時。

腕を掴まれたような気がして、しばらくすると息苦しさが無くなった。

と、同時に、足の痛みがぶり返す。



うっ。



「ゲホッ ゲホッ」

思わずむせる。

< 149 / 247 >

この作品をシェア

pagetop