そして海の思い出を胸に

「大丈夫か?」

目の前に心配そうな僚二の顔。

私の腕は僚二にしっかり掴まれていた。



「……僚二……」

私は溺れて助けてもらった事に、やっと気が付いた。



「足つったのか?」

「う、うん。そうみたい」

私がそう答えた時。

モーターボートが近付いてきた。



「大丈夫か?」

聞き覚えのある声がして見ると、運転は知らない人だったけど、お兄ちゃんが乗っていた。

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