そして海の思い出を胸に

「どうして誰も、私を責めないの? あの日、私も僚二と一緒に居たのに。私だけが助かってしまったのに……僚二は、まだあの冷たい海の中に居るかもしれないのに……」



心がタイムスリップする。



そうだよ……まだあの海の中で、僚二は待っているかもしれない。

思わず立ち上がって、海の方へ歩き出す。



「僚二……そこに、いるんでしょ? 助けに、行かなきゃ」


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