そして海の思い出を胸に
「……涼?」
「おまえは悪くない」
そのセリフに、ビクッ、とする。
「あいつだって、おまえが助かって良かった、と思っているよ」
私は涼の腕の中で、首を左右に振る。
「おまえ1人が自分を責めてるんだよ? 誰もおまえを責めないから、おまえだけが自分を責め続けているんだ」
「そんな事、無い。
涼だって、私の事、嫌いになったでしょ? 私が居なければ、僚二は今でもここに居た。
僚二が居なくなった原因は……私、なんだよ」