そして海の思い出を胸に

涼の両手が柔らかく私の両手を掴んで、ゆっくりと下へ移動する。

その後、涼は私の手を離し、今度は私の髪をいとおしい様に、何度も何度も優しく撫でた。



そして。

涼の顔が近付いてきて……再び唇に温かい感触。



私の思考回路は、完全に止まっていた。



唇から伝わってくる温もりが、じわじわと心まで伝わってくる。



しばらくすると、涼の気配が私から離れた。


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