そして海の思い出を胸に
すると、大村さんは真面目な顔をして言った。
「あいつは、もう帰ったよ」
ドクン
嫌な感じに、心臓が音を立てた。
えっ? 何?
「……帰った、って?」
「急用が出来てしまってね、美雪ちゃんの部活の時間中だから、直接話しが出来ないから手紙を渡してくれ、って。
……良かったのかな、直接話さなくて」
……。
「いいんです。これで……」
私はその手紙を受け取り、大村さんに礼をしてその場を離れた。