そして海の思い出を胸に
「ははっ。冗談言えるんだったら、元気な証拠だね」

しばらく経つと、希未がそう言って、私の頭を人差し指でピンと叩いた。



「そうね。必要以上に心配しすぎちゃったかな?」

真実も笑って、そう言った。



「おっ、やっと明るい雰囲気に戻ったな」

そう言って部屋を覗いたのは、隆志先輩だった。



「先輩、どうしたんですか?」

「只今、午後4時。演劇部の活動やってるんだよ。で、真実ちゃんを迎えに来た」



私の問いに隆志先輩が答えると、真実は腕時計を見た。


< 20 / 247 >

この作品をシェア

pagetop