そして海の思い出を胸に
「……えっ? ああ。寝坊して、自転車のタイヤがパンクして、電車が事故でストップして、で、全力疾走して来た」
「それはまた、ご苦労様です」
「いえいえ、どう致しまして」
希未とそんな会話をしていると、頭に何かがぶつかる。
「こらっ、伊藤、東野。おまえら、俺に何本チョークを投げさせたら気が済むんだ?」
「そうねー、後、軽く……1000本!」
希未の答えに、北野先生はため息をつく。
「まぁ、いい。チョークがある限り、投げてやるからな」