そして海の思い出を胸に

「ところで、涼」

「ん?」

「最初から知ってたの? 私が涼の所の生徒だって」

「最初から知ってる筈、無いだろうが」

「じゃぁ、いつから?」

「美雪が熱出して寝込んでた時に、俊夫に学校名を聞いてね……あっ、俊夫って、大村だよ。それで初めて知った」



じゃぁ。



「知ってたんだ?
 ……また、会えるの……」

「んな事、当たり前だろ? また会えるかどうか分かんなかったら、あんなあっさり手紙だけで、別れられるかよ」

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