そして海の思い出を胸に
私、涼のセリフ聞いて……涙が出てきた。
「あれ〜、おまえ、泣いてんの?」
「そうよっ、悪い?!」
「いや、悪くはないよ……俺との再会を喜んで、だもんな」
そう茶化して言って、涼はハンドルを切った。
「私……分からなかったから……ぐすん……もう、会えない、と思って……くすん……悩んで……髪まで切って……ぐすん……」
泣かないつもりだったのに、涙が止まらなくなり、ついには言葉も続かなくなってしまった。