そして海の思い出を胸に

私、涼のセリフ聞いて……涙が出てきた。



「あれ〜、おまえ、泣いてんの?」

「そうよっ、悪い?!」

「いや、悪くはないよ……俺との再会を喜んで、だもんな」

そう茶化して言って、涼はハンドルを切った。



「私……分からなかったから……ぐすん……もう、会えない、と思って……くすん……悩んで……髪まで切って……ぐすん……」



泣かないつもりだったのに、涙が止まらなくなり、ついには言葉も続かなくなってしまった。

< 227 / 247 >

この作品をシェア

pagetop