そして海の思い出を胸に

「おまえの高校名を知った時、俺の赴任先だったから、教師と生徒って言うのはヤバいよなぁ……って思ったりもしたんだ。
 もしかしたら、今ならまだ気持ちを止められるんじゃないか……って。
 でも……」



そこまで言ってから、涼はやっとこっちを向いた。



そして、笑った。



「でも、やっぱ無理だった。
 ……俺の心の中から美雪が居なくなるなんて、有り得ない。
 だから、俺、開き直る事にした。
 ……俺達が出会ったのは、まだ教師と生徒の関係になる前、ただの男と女の時なんだから仕方ない……って」


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