そして海の思い出を胸に


……やっぱり、無理。



我慢なんて、出来ない。



「私、涼の傍に居たい」

「うん」

「私達、出会った時は何も知らなかったんだから、仕方ないよね」

「うん」



私、『涼にもう会えない』と思って過ごしていた、この1週間を思い出し、思わず涼の袖口を、ギュッ、と掴んだ。



「……美雪?」


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