そして海の思い出を胸に
「もう、私の前から、黙って居なくなったりしたら……イヤだからね」
どんな格好だろうが、今、涼がここに居るのを再確認するように、掴んでた手に力が入る。
すると、涼は空いてた方の手を、掴んで放さない私の手に重ねた。
「悪かったよ……何も言わずに、あの日帰ったりして。
……不安にさせて、ごめんな」
私、首を左右に振る。
「もしかしたら、俺達が一緒にいる事で、この先おまえに辛い思いをさせるかもしれない」
私、再び首を左右に振る。
「でも、何があっても、俺がおまえを守るから」