そして海の思い出を胸に

「もう、私の前から、黙って居なくなったりしたら……イヤだからね」



どんな格好だろうが、今、涼がここに居るのを再確認するように、掴んでた手に力が入る。

すると、涼は空いてた方の手を、掴んで放さない私の手に重ねた。



「悪かったよ……何も言わずに、あの日帰ったりして。
 ……不安にさせて、ごめんな」



私、首を左右に振る。



「もしかしたら、俺達が一緒にいる事で、この先おまえに辛い思いをさせるかもしれない」



私、再び首を左右に振る。



「でも、何があっても、俺がおまえを守るから」


< 241 / 247 >

この作品をシェア

pagetop