そして海の思い出を胸に
「呼び捨てにしないでっ! まだ知り合って半日しか経っていないのに……馴れ馴れしくしないでよっ!」
私、そう言い捨てるといつの間にか入口に向かって走っていた。
涼さんに八つ当たりするのは悪かった、と心の何処かで思ったけど……私はどうしていいのか分からなくなっていた。
「僚二……」
私は目の前が涙で霞んでいる事に気付いて、足を止めた。
外は眩しい光が溢れているのに、私は……。
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